7世代戦績総括
2016年12月
第1回関東リージョナル 0-5 最下位
2017年2月
第22回アリーナオフ ベスト4
2017年3月
バトルロードグロリアLCQ ベスト16
2017年4月
PJCS2017予選落ち
2018年1月
INC January予選落ち
2018年4月
第1回ギャラクシーオフ ベスト16
第12回ぽちゃオフ 3位
構築記事 7thガルーラスタン
2018年5月
PJCS2018予選落ち
2018年7月
第2回ギャラクシーオフ ベスト16
2018年12月
INCNovember 予選22位抜け 本戦出場権獲得
2019年3月
第4回ギャラクシーオフ 予選落ち
2019年6月
PJCS2019本戦ベスト16 WCS出場権獲得
構築記事 オーガイベルゲンガー
2019年8月
WCS2019Day1 5-3
FIN
WCS2019Day1使用構築 トキ流オーガイベル(後編)
前回の記事の続きとなります、今回はWCSまでの考察をまとめたものです。最後まで是非ご覧下さい。
オーガイベルを続投した理由
世界大会では結果としてオーガイベルを使用しましたが、初めからイベルを使おうと思っていたわけではなく、むしろオーガイベルの続投は正直怪しいと思っていました。理由として
・イベルタルよりスペックの高いポケモン(特にレックウザ)を主軸とした構築に切り替えていった方が強いと、全国大会前から密かに感じていた
・サポートタイプのガエンレヒレという並びは最早弱く、世界大会ではコケコを軸としたオーガレックを始めパワータイプが増えていく
などから、七月末まではイベルタルから暫く離れ、オーガレック、ネクロズマ、ルナレック、グラゼルネなど別系統の構築を納得行くまで一通り試していました。
結果として、世界大会の環境予想として
・汎用性の非常に高いレックウザ採用者がほとんどとなり、相方にカイオーガ、ルナアーラ、ネクロズマ採用者が多い環境になる。グラレックやソルレックも少なからずいると予想、ゼルネレックは考察外。
・それに伴い、メタとして有効なルナアーラやネクロズマ入りの構築が増えていく
といったものでした。
グラゼルネ系統も一通り回しましたが、この構築に限って言えばかなりのプレイング力がない限り世界レベルでは勝ち辛いと考えており、Day2ならまだしもDay1となれば試合が進んでいくにつれてマッチングする可能性もかなり低くなると見込んでいたので、こちらのメタは薄くなると感じていました。
...と、こういった考えを一度整理した結果、ルナアーラやネクロズマの対策がしやすく、オーガレック相手でも勝率の悪くないイベルタルに戻すべきなのではという結論になりました。そしてPJCSで使用したゲンガーレヒレガエンのような受け身のコントロール軸ではなく、他の構築に負けないパワーを誇ったオーガイベルを完成させる方針に移ることになります。
構築経緯
軸としてオーガイベルガエンから構築スタート。
(前編からの追記となりますが、ガオガエンの最大の役割は以下の通りです。)
・対ルナアーラやネクロズマを、イベルガエンという悪二枚で徹底して潰す
この二体だけでほとんどのルナアーラ、ネクロズマ入り構築には勝てる自信がありました。
話を戻します。焦点を当てるべき構築として前述した通りオーガレックが最優先候補となります。その上で別系統の構築にも対応できるように色を加えていく方針としました。
まず、特に相手にしてて一番厄介な選出がレックウザ+コケコの並び。この並びだけでも動きのパターンは豊富で、「自然の怒り」から「画竜点睛ーなどのアグレッシブな動きから、「追い風」や「剣の舞」など積み行動orS操作など、考えるだけでキリがありません。
色々試行錯誤してたどり着いた対策論として挙げられたのは
・カプ・コケコやミミッキュといったフェアリーZ打点&上から殴れるor受けられるポケモンの採用
・コケコの電気技を受けられ、他の取り巻きにもある程度対応可能なポケモンの採用
の二つでした。これらを満たすポケモンを探したところ、フェアリーZカプコケコとナットレイにヒット。
前者のカプコケコはレックウザや相手のカプコケコだけでなく、カイオーガに対しても大ダメージを与えることができる上、Bo3であれば相手のレックコケコの持ち物が割れた後からの動きが非常に安定するため使い勝手が良かったです。
後者のナットレイはカイオーガ入りの構築であれば基本なんにでも出しやすい汎用ポケモンで、コケコの攻撃を容易に受けてしまうのが最大の魅力です。
ラスト一体には、イベルタル最大の敵であるゼルネアス対策として、メガゲンガーかメガメタグロスのどちらかを採用することになりましたが、ゼルネアスやレックウザをなるべく重点を置き、コケコやガエンにもそれなりに対応可能なメタグロスを取ることにしました。
詳細に関しては個別解説に続きます。
個別解説
実数値:233-135-132-167-130-123
HB:意地鉢巻メガレックウザの「画竜点睛」確定耐え
D:あまり
S:S-1最速メガレックウザ抜き
S-1最速コケコを上から抜くメリットがないと感じたため、S-1最速メガレックウザ抜きまでとし、物理耐久に努力値を大きく割きました。
Bo3環境ではチョッキ持ちとばれた時点で弱いと感じていたため、ソルガレオやルナアーラ入りの構築でない限り、二回以上選出することはありません。
特に電気Zコケコには滅法弱くなってしまったのは悩ましい点であり、誤魔化しが効かなくなっていたので火力ベースで悪Zやピンチベリーなどにしておいたほうが良かったなと痛感しました。
カイオーガ@藍色の玉
潮吹き/熱湯/凍える風/守る
実数値:183-x-117-247-181-135
HB:意地A252ゲンシグラードンの断崖の剣確定耐え
S:S-1最速コケコ抜き+1
「こごえるかぜ」により自力でコケコやメガレックウザを抜き、上から「潮吹き」で制圧する型。現環境で特にメジャーなこの二体にはチョッキ持ちや拘りアイテム、守るを切ったピンチベリー持ちが多いことが分かっていたので、ガオガエンと合わせて不利な状況を一転させることが可能。
この凍える風カイオーガに限らず、初見殺しには「バレると弱い」ものと「バレても強い」ものの二種類があると考えており、今回のカイオーガは後者に当てはまると感じています。
「しおふき」の枠は「根源の波動」との選択でしたが、Z持ち光の壁コケコが増えていたせいで中途半端なダメージしか入らなくなるのを嫌って変更しませんでした。
アイアンヘッド/バレットパンチ/じたんだ/身代わり
実数値:169-184-171-x-136-171
S:最速ウツロイド抜き調整
ツンデツンデにもよく見られる「身代わり」ですが、物理打点の鋼タイプの持つ「身代わり」は対ガオガエンや猫サイクルにかなり刺さる技であり、ウルトラルールにおいてはかなり強い技だと感じていました。
メタグロスの短所として火力が中途半端にしか入らない点が挙げられますが、裏を返せば「威 嚇」が入らない状態で弱点をつければ確定2発が保証される」ということなので、横のポケモンのサポートを受けつつ「身代わり」を破られないように立ち回るのが基本の動きとなります。
「守る」がなくて不便な時もありましたが、「バレットパンチ」の採用により微妙に体力の残ったゼルネアスやランクダウンしたレックウザに対してトドメを刺せたり、イベルタルの「不意打ち」と合わせて「ファントムガード」を保有しているルナアーラを倒せるアドバンテージの方が非常に大きかったため、そこまで困ることはありませんでした。
ガオガエン@ピンチベリー
実数値:201-138-125-90-138-81
HB:A実数値208メガレックウザのA∔1画竜点睛確定耐え
陽気ASカミツルギの聖なる剣を確定3発、乱数2発(1.1%)耐え
S:相手のガオガエンのS判定のためS4振り
HD:C実数値201ゼルネアスのC∔1ムーンフォース確定耐え
A:あまり
調整先を対ピンチベリー剣の舞レックウザ、耐久ゼルネアスに定めました。
せっかく威嚇を入れて火力を下げても画竜点睛で暴れられてしまうのが難点だったので、なるべくサイクルを回せるようにBに多めの努力値調整。
「バークアウト」の枠は悪技で確定だと思うのですが、ここはレックウザや相手のガオガエンやモロバレル、レヒレの持ち物妨害となる「はたき落とす」が一番良かったんじゃないかと少し悔やんでます。他の技構成や調整自体に不満はありません。
ナットレイ@たべのこし
実数値:181-137-151-x-160-22
HD:雨下控えめC252ゲンシカイオーガの「潮吹き」をWダメージで確定3発
A:あまり
カイオーガやゼルネアスを始め、対応範囲の広い汎用ポケモン。イベルタルやガオガエンの補助を受けつつ、「身代わり」+「やどりぎのタネ」で盤面に残り続ける。グロス同様にガオガエンからの妨害を避けられるため、横のポケモンへの攻撃に集中出来るのが強み。
オーガ入りの構築に対しては、相手にオーガガエン、こちらにナットレイ+@と残しておけばガオガエンを放置できる動きも出来るため非常に便利。元々はモロバレルの枠だったが、せいぜい補助されるのはカイオーガぐらいで他のポケモンには必要なかった上に、コケコの「エレキフィールド」で「キノコのほうし」の通りが悪くなるため不採用となりました。
WCS2019top8で同じくオーガイベルを使用した選手はここの枠がモロバレルになっているが理由は不明(イベルタルへの電気、フェアリー技を止めるため?)
カプ・コケコ@フェアリーZ
実数値:145-x-105-147-96-200
対レックウザに対して強く出られるフェアリーZ型。チョッキ以外であれば大半は瞬殺できるorチョッキであっても火力がないと分かれば他のポケモンのサイクルで潰せるためかなり重宝しました。
SDテキスト
Yveltal @ Assault Vest
Ability: Dark Aura
Level: 50
EVs: 252 HP / 132 Def / 4 SpA / 92 SpD / 28 Spe
Modest Nature
- Foul Play
- Snarl
- Oblivion Wing
- Sucker Punch
Kyogre-Primal @ Blue Orb
Ability: Primordial Sea
Level: 50
EVs: 60 HP / 52 Def / 196 SpA / 4 SpD / 196 Spe
Modest Nature
IVs: 0 Atk
- Protect
- Water Spout
- Icy Wind
- Scald
Metagross-Mega @ Metagrossite
Ability: Tough Claws
Level: 50
EVs: 108 HP / 148 Atk / 4 Def / 44 SpD / 204 Spe
Jolly Nature
- Stomping Tantrum
- Substitute
- Iron Head
- Bullet Punch
Incineroar @ Figy Berry
Ability: Intimidate
Level: 50
EVs: 244 HP / 20 Atk / 116 Def / 124 SpD / 4 Spe
Careful Nature
- Fake Out
- Flare Blitz
- U-turn
- Snarl
Ferrothorn @ Leftovers
Ability: Iron Barbs
Level: 50
EVs: 252 HP / 180 Atk / 76 SpD
Sassy Nature
IVs: 0 Spe
- Power Whip
- Gyro Ball
- Substitute
- Leech Seed
Tapu Koko @ Fairium Z
Ability: Electric Surge
Level: 50
EVs: 252 SpA / 4 SpD / 252 Spe
Timid Nature
IVs: 0 Atk
- Thunderbolt
- Volt Switch
- Dazzling Gleam
- Protect
戦績
1戦目 ソルガレックカビゴン◯◯ 勝ち
2戦目 オーガレックコケコ✖︎◯◯ 勝ち
3戦目 オーガレックコケコ✖︎◯◯ 勝ち
4戦目 ネクロレック ✖︎✖︎ 負け
5戦目 グラゼルネマンダ ◯✖︎✖︎ 負け
6戦目 オーガレックコケコ ◯◯ 勝ち
7戦目 ルナレックコケコ ◯◯ 勝ち
8戦目 ルナゼルネ ✖︎✖︎ 負け
WCSDay1 5-3
WCS、そして第7世代を終えた今の心境
ポケモンを始めた時からどの大会においても、参加するとなればいつも全力で取り組んできたスタイルだったので、今回の結果を受けてこれが今の自分の限界なんだと改めて実感しました。運要素が絡んだせいで落としてしまう試合もありましたが、それで拾えた時も何度も経験してきたので、言い訳には出来ません。ポケモンではなく、全てプレイヤーである自分が悪いです。構築の発想から本番での立ち回り含め、一から全て見返してみて自分に足りないものを把握して次に生かしていきたいところ...
また、世界大会に参加する人達の中でもトップカットに残るようなプレイヤー達の次元にはまだ到達出来てないと現場で痛感できたのも良い経験になったと思います。その感覚は世界大会に出場したことのある人間にしか分かりません。
ただ、WCS2015の決勝を観て、ポケモンプレイヤーとして始まった3年前から今までを振り返ると、本当に沢山の思い出や仲間に恵まれたんだなと改めて実感しました。
毎日少しずつ、1つずつ強くなることを目標に、止まることなくひたすらポケモンに打ち込み続けた日々は少しは報われたのかなと思います。
次の舞台は第8世代ガラル地方。学生生活も忙しい中、正直今までの自分を超え続けるのは成長すればするほど難しく険しくなっていきますが、マイペースに歩いて行こうかなって感じです。頑張る、というより、これからも楽しんで行きたいです。
またいずれ、何処かでお会いしましょう。
FIN
PJCS2019ベスト16使用構築 トキ流オーガイベル(前編)
トキです。7世代最後の記事になります。
今回はVGC2019ウルトラルールにおいて一貫して使用したオーガイベルの記事となります。かなり文量が多いため前編(PJCSまで)、後編(WCSまで)に分けて解説していきたいと思います。
尚、あくまで僕個人の考察をまとめたものになりますので、考察不足な点などところどころあるかと思いますが御容赦下さい。
オーガイベル構築経緯 第1段階
まずこのウルトラルールの印象として、個人的にはあまりにもプールが広いルールだなと感じていました。今現在においても全ての構築に対応できるようにするのが非常に困難なのは、VGCプレイヤーであれば誰しもが痛感してきたことだと思います。
そういった点からまず一体目の伝説ポケモンに必要なスペックとして求められたのは、汎用性の高さを誇り、なるべく不自由なく選出も可能なポケモンであるのが条件だったので、ここでチョッキイベルタルに注目しました。
ゼルネアスやコケコ以外であれば「バークアウト」「イカサマ」「ふいうち」などといった豊富な技構成、そして耐久力の高さから大半のポケモンは1人で戦えてしまう点、つまり「他のポケモンのサポートをあまり必要としない自立したポケモン」というのが一番の強みだと感じました。
考察初期の段階では、このゼルネアスやコケコさえ止められればいい!ということで、「バークアウト」ガオガエンを採用。
「吠える」も勿論有効ではありますがそれが嫌われるのは当たり前かつ分かりやすいため、相手のゼルネアスからしたら普通に攻撃するのが安定択になってくるので腐ってしまいます。
また、イベルタルやガオガエンで散らしてるうちに強力な伝説ポケモンを通したいということで、最初はジオコントロールを積めば無双できるゼルネアスを採用。
が、ここで問題となったのが「割と一撃で落とせるポケモンが限られており、ゼルネアス一体ではパワーが足りない」ということです。特に苦手な毒タイプや鋼タイプにはそれが目立ちました。
カイオーガやカプ・レヒレなど特防が高いポケモンに対しても重くなりがちなので、それも問題点の1つです。
ということで、それらに強いカミツルギ、そのカミツルギに強いメガレックウザやメガボーマンダのケアが可能なカプ・コケコを採用。マジカルシャインと自然の怒りをベースとし、カミツルギの破壊力を上乗せして無理やり突破する。
ここまでの五体で、ゼルネレックが非常に重く、コケコだけではカミツルギのサポートは仕切れない、ゼルネアスはまだ重いといったところでメガゲンガーを採用し、第1段階が完成。
第2段階
この並びを使ってるうちに浮き彫りになったのは「ガオガエンを必ず一撃で倒したい」という課題でした。殆どの構築に採用されるほど汎用性が高い故に、なるべく早く倒すことが必要不可欠だと感じたため、ガオガエンをワンパン可能かつ安定した火力を誇るグラードンとカイオーガのどちらかは必須だと思いました。
ここで選んだのはカイオーガです。後々ずっと使うこととなる訳ですが、グラードンを選ばなかった理由として
・特殊打点では火力が足りない上に、カイオーガに天候を取られた途端に何も出来なくなる。
・物理打点であってもガオガエンなどの威嚇によって結局ワンバンできない上、「断崖の剣」が命中不安定なため使いたくない
という2つの課題が非常に重く、解決が困難だと感じました。
そうしてカイオーガを選んだのにも理由があり、
・天候と合わせて高い特殊打点を活かした攻撃が出来る
・全伝説ポケモンの中で最も高い瞬間火力を引き出せる
という点でした。特に2つ目の個性はジオコンを積まないと火力がままならないゼルネアスには出来ない芸当で、これが大きな差別点となります。
そしてカイオーガを採用したことにより、弱点を突かなくてもワンパンで落とせる範囲がかなり広がったため、カミツルギなどを採用して無理に落としに行く必要がなくなり、むしろカイオーガのサポートを出来るポケモンを増やし、いかに暴れさせるかが構築を進化させるテーマだと思いました。
というわけで、一度カミツルギとカプ・コケコを構築から外し、イベルタル、カイオーガ、ガオガエン、メガゲンガーの四体から改めて考察をスタートしました。
第3段階
まず最初に課題として出した「ゼルネアスをどうするか」を解決しなければならなかったため、その対策として最も有効なのは火力の高い鋼打点で殴るという結論でした。
それだけでなく、ゼルネアスとよく組み合わさっているグラードンや、「大地の力」を覚えたメガレックウザの対策も出来ることが条件となってきます。一通り試した結果、答えとして採用したのはシュカのみツンデツンデでした。
HDを軸に調整し、木のみ補正が加わることで前述した二体の攻撃を耐えて行動できる点や、他のポケモンも一貫して脅威となる「断崖の剣」をケアする「ワイドガード」、自分が一番早く行動できるようになる「トリックルーム」、天候を奪える「スキルスワップ」と、このルールにおける鋼ポケモンの中では最も汎用性が高く魅力溢れた個性を持っています。
この五体が軸として決まり、固定メンツとして全国大会までずっと試運転をしていました。
第4段階(オーガイベルゲンガーの完成)
残り一体の課題として、
・カプ・コケコに役割を持てるポケモン
という条件を満たせるポケモンが必要でした。
候補として上がったのは、この3体です。
➀トゲデマル
避雷針により対コケコ性能が上がるのに加え、ほっぺすりすりとアンコールによりS操作やジオコン、守る縛りが可能。火力がないのと上から蜻蛉をするので後続に影響されるのが痛い。
②レヒレ
S操作と状態異常無効化、癒しの波動によりオーガとイベルを補助するのがメイン。ガエンと合わせればレックランドにはそれなりに強く出られるが、火力がなく一方的に上から殴れる展開になると痛い。
③テテフ
スカーフ持ちでオーガアマージョへの回答や相手の猫封じによりオーガが動かしやすくなる、雑に削れるアタッカー。その代わり器用なことができない。
一通り試して、最終的に構築に残ったのはカプ・レヒレでした。
「ひかりのかべ」や「癒しの波動」と言ったダメージを抑えてくれる技がかなり伝説ポケモンと相性が良く、HPに依存して火力が決まる「潮吹き」との補完性も非常に強く感じました。
火力の足りなさも「凍える風」を使って上からオーガに殴らせることで解決させたり、やることがない時に雑に削れるように「自然の怒り」を使ってカイオーガが落とせる範囲を広げるなど、使い勝手が良かったです。
肝心のカプ・コケコ対策としては、「凍える風を一度入れる」→「カイオーガに上から殴らせる」が最も有効なため、レヒレ自身がコケコの攻撃を受けきる必要がありました。
そこで持ち物として「ミストシード」を持たせることで、エレキフィールド補正がない限り電気Zでも耐えることが出来る上、元々耐久が高いので他の能力値に努力値を振る余裕が生まれ、ゼルネアスなどの他の特殊打点ポケモンに対してもかなり場持ちが良くなりました。
全国大会における統合時間制においても、これらのコントロール軸で攻める思考はフィットしていると感じ、TODを狙った戦法をひたすら生かす構築を目指しました。これで全国大会の構築が完成です。
個別解説
実数値:232-135-122-167-130-134
HB:陽気鉢巻メガレックウザの画竜点睛確定耐え
D:あまり
S:S-1最速コケコ抜き
構築のメインサポーター。基本的にどの選出にも組み込める。
控えめC4振りにしている理由は、意外と「デスウイング」を打つ場面が多く(モロバレルなどの草タイプには勿論、画竜点睛後のメガレックウザ、ガエンやレヒレなどメジャーポケモンにも)、場持ちを良くするためにも「デスウイング」の火力を上げる方向性を取りました。
特に大半のモロバレルに確定2発で落とせるようになっているのは大きいです。
控えめにしても物理打点である「不意打ち」の火力は十分高く(ゲンシカイオーガにも3割は削ってくれる)、特に気になりませんでした。
チョッキ持ちということで、Dに関しては明確な調整対象は設定していません。
カイオーガ@藍色の玉
潮吹き/熱湯/冷凍ビーム/守る
実数値:183-x-117-247-181-135
HB:意地A252ゲンシグラードンの断崖の剣確定耐え
S:S-1最速コケコ抜き+1
エースアタッカー、絶対選出。Sは最低限に抑え、火力に極力振った型。
レヒレよりわざと遅くすることで、「癒しの波動」+「潮吹き」という常に火力の高い状態を維持した攻撃が可能。「熱湯」は「根元の波動」と選択となる。
ゲンガー@ゲンガナイト
ヘドロ爆弾/滅びの歌/身代わり/守る
実数値:154-x-101-195-124-200
C:ヘドロ爆弾でHぶっぱレヒレのピンチベリー発動圏内に”入らない”調整
S:最速
対ゼルネアス、対ガエンレヒレ最強のカード。ガエンレヒレを影踏みで縛った後、わざとレヒレへのダメージを7割程度に抑え、横のカイオーガで「潮吹き」で倒す→滅びの歌で勝利のプランが非常に強く刺さり、特に全国大会ではTODの〆として滅びの歌が大活躍したためゲンガーをチョイスしたのは正解でした。
対グラードンやガエンに対しても必ずカイオーガで仕留めるために「身代わり」「守る」で重点的に場持ちを良くするのが基本的な役割なので、攻撃打点は「ヘドロ爆弾」だけで事足ります。
実数値:202-120-110-x-156-58
耐久に全振りし、トリル中にカイオーガやレックウザに打点を持てるようにZを持たせました。
対グラードン時は「わざと倒される」場面と「場に残る」選択肢を取れるように、そして「滅びの歌」の価値を上げるために「守る」を採用。
炎打点も欲しいと思ったことはありましたが、単純にアタッカーとしての役割は他のポケモンが満たしてくれているため、滅びの歌でかつプランを優先するため結果として外れました。
このポケモンが最遅として採用されるのは「猫騙しを撃つ」役割より「一番最後に動くとんぼ返りで盤面アドバンテージを取る」役割の方が強いからだと思います。
ツンデツンデ@シュカのみ
実数値:165-164-231-x-158-16
HD:C補正なし命の珠メガレックウザの大地の力確定耐え
A:あまり
2つ目のゼルネアスキラー。トリックルームを絶対成功させたいので耐久値に多く割くことを優先。また、対ガオガエンに打点を持てるように岩雪崩を採用しました。
グラゼルネへの対抗打点として非常に優秀で、グラードン以外の取り巻き(マンダ、レヒレ、ガエン、コケコ等)にはほぼ戦えるのが強みです。
カプ・レヒレ@ミストシード
凍える風/癒しの波動/自然の怒り/光の壁
実数値:173-x-155-115-150-136
HB:意地珠メガレックウザの画竜点睛耐え
S:S-1最速コケコ+2
カイオーガのメインサポーター。素早さをオーガ、イベルより速くし上からサポートする。
対カイオーガ、対レックウザ性能も非常に高く、ミストシードのおかげで物理耐久に配慮できたのも大きいです。
やることが多いが故に技のチョイスは慎重に選ばなければならず、特に横のポケモンのダメージ計算は間違えないよう練習する必要があります。
SDテキスト
Yveltal @ Assault Vest
Ability: Dark Aura
Level: 50
EVs: 244 HP / 52 Def / 4 SpA / 84 SpD / 124 Spe
Modest Nature
- Foul Play
- Snarl
- Oblivion Wing
- Sucker Punch
Kyogre @ Blue Orb
Ability: Drizzle
Level: 50
EVs: 68 HP / 52 Def / 196 SpA / 4 SpD / 188 Spe
Modest Nature
IVs: 0 Atk
- Protect
- Water Spout
- Ice Beam
- Scald
Gengar @ Gengarite
Ability: Cursed Body
Level: 50
EVs: 148 HP / 4 Def / 36 SpA / 68 SpD / 252 Spe
Timid Nature
IVs: 0 Atk
- Perish Song
- Sludge Bomb
- Disable
- Protect
Stakataka @ Shuca Berry
Ability: Beast Boost
Level: 50
EVs: 228 HP / 100 Atk / 180 SpD
Sassy Nature
IVs: 0 Spe
- Gyro Ball
- Rock Slide
- Trick Room
- Wide Guard
Incineroar @ Incinium Z
Ability: Intimidate
Level: 50
EVs: 252 HP / 4 Atk / 252 SpD
Sassy Nature
IVs: 0 Spe
- Fake Out
- Darkest Lariat
- U-turn
- Protect
Tapu Fini @ Misty Seed
Ability: Misty Surge
Level: 50
EVs: 220 HP / 44 Def / 244 Spe
Bold Nature
IVs: 0 Atk
- Light Screen
- Icy Wind
- Heal Pulse
- Nature's Madness
全国大会を終えて
マヨ君のインタビュー動画でも少し話しましたが、全国大会ではゼルネアス入りの構築よりオーガレックのようなサイクル思考の構築を始め、コントロール系統を軸とした人が勝ちあがれる環境だった思います。
また、オーガレックに強いルナアーラが増えるであろうこともある程度予測出来ていたので、安心してイベルタルを持ち込めました。
PJCS戦績:予選5-2(10位)、本戦ベスト16
ここまでが全国大会までの考察となります。
次の記事では世界大会までの考察を書き綴ります。
To be continued...
2018年度の戦績
トキです。一応毎年書いてた戦績一覧、今年も書き留めておきます。
VGC2018
第1回ギャラクシーオフ 予選一位抜け Top32
第12回ぽちゃオフ 予選一位抜け 3位
(http://volpepoke.hatenablog.com/entry/2018/05/14/124506)
(https://trainertower.com/big-mama-top-8-roanoke-regional-team-report/)
第2回ギャラクシーオフ 予選2位抜け Top32
VGC2019(サンシーズン)
INCNovember日本22位、世界30位
PJCS2019出場権獲得
(http://volpepoke.hatenablog.com/entry/2018/12/14/150020)
毎年少しずつ成長出来てる感じはあるので、今年もマイペースに頑張っていきます。
全国頑張るぞᕦ(ò_óˇ)ᕤ
INCNovember使用構築:トキ流重火力トルネオーガ(最終1829,日本22位)
トキです。久々の構築記事になりますね。
今回はINCNovemberにて使用したトルネオーガの構築紹介となります。
結果はタイトルにもある通り、22位で予選突破となりました!🎉(33勝7敗、勝率82.5%)
テンプレとしてサンシーズンでは有名な並びでしたが、自己流でアレンジを加え続けてかなり納得のいく形となりましたので是非読んでいってください。
構築経緯
何度か触れたことはあるものの、GSルールにおける経験値があまりにも乏しかったので
・9~10月中旬(前半)→どの伝説ポケモンが強いか全部試して探る
・10月下旬~INC(後半)→前半で見つけた強い並びを極める
という計画で取り組んでいました。
結果として
・ゼルネアスは対策されやすいが、相手は必ず選出された場合を考慮せざるを得ない(置くだけでも選出誘導に使えるし、「ジオコントロール」が通れば一掃できる)圧力を持っている
というポテンシャルを持った二体を軸に構築を組むことに。
また、ここまで把握した時点で既に大規模大会において上位入賞していた
の四体の取り巻きを試していたところ、役割分担がしっかりしていて非常に対応力の高い構築であることが分かったので、これらをベースに改良を続け、器用に扱えるだけのプレイング力があれば本番でも戦えると感じていました。
結局この並びが本番まで変わることはありませんでしたが、今回は多忙につき練習出来る時間が限られていたため、下手に弄るのは避ける、完成度の高い構築の本質を見極め、プレイング力を鍛え続け本番に臨む、ということを徹底したのは正解でした。
具体的な役割や立ち回りについては個別解説にて述べておきます。
個別解説
カイオーガ@こだわり眼鏡
控えめ/200-x-110-222-160-118
潮吹き/熱湯/雷/冷凍ビーム
S→追い風下で最速スカーフカイオーガ抜き
Cぶっぱ 残りH振り
直前までこだわりスカーフ型を愛用していましたが、
・周りのサポートが優秀すぎるためそもそも「こだわりスカーフ」を使ってまでSを上げ、自力で上から攻撃する必要がない
・「トリックルーム」を使う相手にカイオーガが一気に出しづらくなるなどのデメリットが痛かった
という理由からスカーフ型の採用は見送っていました。その点「こだわり眼鏡」を持たせSを極力下げることで、上記の問題が解決し、場持ちが良くなる上、倒せなかった相手を狩れる火力を誇るなどメリットがかなり大きかったからです。(同じく眼鏡カイオーガを使用したみずこさんの構築記事に詳しく書いてあります!)
「こんげんのはどう」に関しては
・単体攻撃で火傷も狙える「熱湯」や主力の広範囲技「潮吹き」で水タイプ技が足りてる
・「冷凍ビーム」や「雷」などを使い、なるべく不自由なく攻撃範囲を広げたい
・命中不安な技を試合数の多いオンライン予選で使いたくない
といった理由から不採用です。
代わりに入ってきた「冷凍ビーム」の採用理由は草タイプに対する打点を持つだけでなく、グラードン構築に入ったイベルタルへの迅速な処理と、「冷凍ビーム」でこだわったままグラードンも一緒に処理するためです。
ゼルネアス@パワフルハーブ
臆病/202-x-115-183-118-166
ムーンフォース/マジカルシャイン/ジオコントロール/守る
カイオーガと並ぶパワーを誇るゼルネアスは母体数がかなり多いと思ったので、せめて同速に持ち込める最速調整。Cも252振りとしていますが、特に仮想敵を設けず少しでも多く体力を雑に削る役割を果たしてくれれば良かったので結果としてCSぶっぱ調整となりました。
選出率自体はそこまで高くなく、むしろ相手の鋼タイプを始めとしたゼルネアス対策のポケモンを誘導するための駒として利用する時が多かったです。「ジオコントロールを積まれたら終わる」という認識を持ってくれればカイオーガでカモれるので、ゼルネアスと組む相方の通りを更によくしてくれました。
ちなみにHではなくDに4振るとC252控えめディアルガの「ラスターカノン」確定耐えです。H4でも超低乱数でしか倒れませんが、本番でこの確率を引かれて負けかけたので一応書いておきます()
陽気/138-228-152-x-61-168
スマートホーン/リーフブレード/はたき落とす/聖なる剣
HD→雨下控えめスカーフカイオーガの潮吹きをWダメージで確定耐え
S→最速ゼルネアス+2調整
残りA あまりB
オーガゼルネに並ぶ幻の伝説枠。「きあいのタスキ」も試しましたが、そうなるとトルネロスに持たせるものが無くなってしまう上、ガオガエンにHP半回復木の実を持たせた方が強かった点(後述します↓)、少し調整すればASをある程度保ちながら様々な攻撃を耐えてくれるということで「とつげきチョッキ」に落ち着きました。
この4つの技はカミツルギの攻撃範囲+特性「ビーストブースト」を活かすにはどれも外せなかったというのも採用理由の一つです。
最速にしなかった理由としては
・Sに振りすぎると耐久と攻撃のバランスが崩れる
・追い風下で最速ゼルネアスを抜ければ十分
・相手のカミツルギはガオガエンやトルネロスで見る場合が多く、同速に勝たなきゃという考えはなかった
からです。
ガオガエン@フィラの実
慎重/200-136-117-90-138-92
HB→命の珠A252グラードンの「断崖の剣」を威嚇込みで確定耐え
HD→Cランク+1控えめゼルネアスのC252「ムーンフォース」木の実発動圏内で確定耐え
S→最遅ルナアーラ+1調整
徹底的に耐久に回して上からサポートさせる型。Sを実数値92まで上げることで、S84調整など遅めのガオガエンが蔓延してる環境では大体こちらが先に「猫騙し」を打てるようになるので試合が運びやすくなったり、「トリックルーム」を仕込んだルナアーラやディアルガ、それらと組んだカイオーガに上から「バークアウト」を撃ち続けることで味方の場持ちを確実に良くしていくメリットが生まれ非常に扱いやすかったです。
ゼルネアスに対しても「ジオコントロール」を積むターンは隙が生まれるので、そこを突いてCランクを下げながら自身の木の実圏内に入れる立ち回りができるコンボが「とつげきチョッキ」より遥かに強さを感じました。
トルネロス@気合いのタスキ
臆病/155-x-90-177-100-179
暴風/挑発/追い風/守る
「暴風」を「エアスラッシュ」にしたり、持ち物を「命の珠」や「メンタルハーブ」にしたりなど色々試しましたが、結果として「きあいのタスキ」持ちのシンプルな構成となりました。
「エアスラッシュ」採用型もたまに見受けられましたが、雨下でルンパッパを確実に倒しておきたい点や「エアスラッシュ」+@の攻撃で相手に変に耐えられると後々面倒なので、火力重視で「暴風」を採用。
ただ、「追い風」を撃った後や「きあいのタスキ」を消費した後は腐りやすい(暴風が命中不安というのもあって)というのが現実なので、それが嫌な方は命中安定していて30%怯みも狙える「エアスラッシュ」を採用したり、「追い風」を貼った後は即退場できるようにタスキ以外の持ち物を持たせるといいと思います。
海外だと「王者の印」を持たせて、「守る」→「投げつける」としたトルネロスを使用してるプレイヤーも見られましたが、あちらの方が妨害要素がかなり高めで単体として凄く完成されていると思いました。
モロバレル@イアのみ
生意気/220-x-100-105-136-31
キノコの胞子/怒りの粉/クリアスモッグ/草結び
オーガやゼルネに飛んでくる攻撃から守る役割や「トリックルーム」対策としての役割を果たしていたため、選出率はかなり高かったです。
構築のアタッカー要素となる三体との相性補完がかなり良く、
・カイオーガ→テテフ入りのトリルパなど、バレルを狙わせてオーガの眼鏡潮吹きを容易に通す
・ゼルネアス→ゼルネミラーの際に横のポケモンは勿論、相手のゼルネ自身も妨害しながら味方のゼルネを守る
・カミツルギ→技範囲が広く火力が高い代わりの耐久の脆さを補い、攻撃回数を増やす
など、ガオガエンとはまた違った形でサポートに長けていると強く感じました。
SDテキスト
Kyogre @ Choice Specs
Ability: Drizzle
Level: 50
EVs: 196 HP / 252 SpA / 60 Spe
Modest Nature
IVs: 0 Atk
- Water Spout
- Thunder
- Scald
- Ice Beam
Xerneas @ Power Herb
Ability: Fairy Aura
Level: 50
EVs: 4 HP / 252 SpA / 252 Spe
Timid Nature
IVs: 0 Atk
- Protect
- Geomancy
- Moonblast
- Dazzling Gleam
Kartana @ Assault Vest
Ability: Beast Boost
Level: 50
EVs: 28 HP / 180 Atk / 36 Def / 76 SpD / 188 Spe
Jolly Nature
- Smart Strike
- Leaf Blade
- Sacred Sword
- Knock Off
Incineroar @ Figy Berry
Ability: Intimidate
Level: 50
EVs: 236 HP / 4 Atk / 52 Def / 124 SpD / 92 Spe
Careful Nature
- Fake Out
- Flare Blitz
- U-turn
- Snarl
Tornadus @ Focus Sash
Ability: Prankster
Level: 50
EVs: 4 HP / 252 SpA / 252 Spe
Timid Nature
IVs: 0 Atk
- Hurricane
- Tailwind
- Taunt
- Protect
Amoonguss @ Iapapa Berry
Ability: Regenerator
Level: 50
EVs: 244 HP / 76 Def / 188 SpD
Sassy Nature
IVs: 0 Atk / 0 Spe
- Spore
- Rage Powder
- Clear Smog
- Grass Knot
INCを終えて
立ち回りがかなりシビアな試合ばかりで精神的にも体力的にも辛かったですが、何とかボーダーに滑り込めて良かったです。緊張している時に通話しながら和らげてくれたマブダチの皆さん、本当にありがとうございました!
次はウルトラルールなので、またゼロからのスタートになりますがどんな環境になるのか凄くワクワクしています。全国の舞台でも勝てるように頑張ります!👊
0から1へ、1からその先へ!
FIN